自分で出来る我が家の耐震診断とは
※この診断は、対象として在来工法の木造住宅でごく常識的に施工されたものを考えています。従って、それ以外の住宅にはあてはまりませんのでご注意ください。
木造住宅の耐震診断・耐震改修を推進する為、専門家が扱う耐震診断法だけでなく、国民が簡単に扱える診断法として開発されたもので、木造住宅向けに考えられたものです。木造住宅におすまいの皆様が自ら診断する事により、耐震に関する意識の向上・耐震知識の習得が出来るように配慮されており、居住者などが住宅をどのように評価しているのか知ることが出来ます。
我が家の耐震診断表
過去の地震被害・耐震研究の成果・建築基準法の耐震規定等をもとに作成されています。A~Fの6項目について適切な評点を選び、それから総合得点を求める事により、木造住宅の概略的な耐震診断を行うことができます。では以下の手順にしたがって診断を行って下さい。
以下のAからFの項目に対する判定の数値を全て掛け合わせることで総合点が決まります。
A | 地盤基礎 | 良い普通 の地盤 |
やや悪い 地盤 |
非常に悪い 地盤 |
|
鉄筋コンクリ-ト造布基礎・べた基礎 | 1.0 | 0.8 | 0.7 | ||
無筋コンクリ-ト造布基礎 | 1.0 | 0.7 | 0.5 | ||
ひび割れの有る コンクリ-ト造布基礎 |
0.7 | 0.5 | 0.3 | ||
その他の基礎 (玉石、石積み、プロック積み) |
0.6 | 0.3 | 0.1 | ||
B | 建物の形 | 整形 | 1.0 | ||
平面的に不整形 | 0.9 | ||||
立面的に不整形 | 0.8 | ||||
C | 壁の配置 | つりあいの良い配置 | 1.0 | ||
外壁の一面に壁が1/5以下 | 0.9 | ||||
外壁の一面に壁が無い(全開口) | 0.7 | ||||
D | 筋かい | 筋かい有り | 1.0 | ||
筋かい無し | 0.9 | ||||
E | 壁の割合 注)表下参照 |
1.8- | 1.5 | ||
1.2-1.8 | 1.2 | ||||
0.8-1.2 | 1.0 | ||||
0.5-0.8 | 0.7 | ||||
0.3-0.5 | 0.5 | ||||
-0.3 | 0.3 | ||||
F | 老朽度 | 健全 | 1.0 | ||
老朽化している | 0.9 | ||||
腐ったりシロアリに喰われている | 0.8 | ||||
総合評点 | A × B × C × D × E × F |
E 壁の割合の計算
- 建物の1階部分の壁の長さを外壁と内壁を含めて縦方向、横方向別々に間(=1.8m)単位で測り、その2つのうち小さい方の値を壁の長さとします。
- 建坪は1階の床部分(外壁に囲まれた部分)の面積のことで、畳2枚で1坪となります。
- 係数を以下の表から求めます。
平屋 | 2階建て | |
軽い屋根(鉄板葺、石綿板葺、ストレート葺等) | 0.2 | 0.52 |
重い屋根(土葺瓦、瓦葺等) | 0.27 | 0.59 |
壁の割合は下の計算から求めます。
壁の長さ(間)÷ 2、建坪(坪)÷ 3、係数 = 壁の割合
例:壁の長さが南北方向23間 東西方向15間、建坪が35坪、重い屋根の平屋では 17÷35÷0.27=1.58となりますから、Eの判定の数値は1.2となります。
総合評点が出たら、下の表で判定します。
総合評点 | 判定 | 今後の対策 |
1.5以上 | 安全です。 | 健全な状態を保つ為のメンテナンスを 定期的に行いましょう。 |
1.0以上 1.5未満 |
一応安全です。 | 専門家の精密診断を受ければ なお安心です。 |
0.7以上 1.0未満 |
やや危険です。 | 専門家の精密診断を受けて下さい。 |
0.7未満 | 倒壊または大破壊の 危険性があります。 |
ぜひ専門家と補強について相談してください。 |
こちらの判定法は建物の状態を判断する必要がありますが、その分、判定がより確実になっています。
多少手間はかかりますが、じっくりやっていけば、それほど難しいものではありません。